〔種類〕
大きく分けて輪型おむつと成型おむつがあり、いずれもおむつカバーの上にのせて使います。輪型おむつは折りたたんで使うため、たたむ手間がかかりますが、大変乾きが早く、折り方によって形を変えることもできる利点があります。動物の柄があったり、最近では水玉模様などのかわいい輪おむつも販売されています。成型おむつは、形ができており、たたむ手間がいらない反面、乾きにくい欠点があります。
アメリカなどでは、カバーとおむつが一体になった一体型おむつもあり、インターネットなどで見かけます。
〔ママのメリット〕
・おむつ離れが早い
個人差はありますが、だいたい1〜2歳の頃にはずれることが多いようです。おむつがぬれるのでママが排せつを知ることができ排尿間隔をつかみやすいのもあります。
・買い出し・ゴミ出しの手間がいらない
大きい荷物となるおむつを毎回購入しに行く手間がなく、大量のゴミが部屋を占領することもありません。
・部屋の臭いがしない
ゴミの日は平均週2回、赤ちゃんの排せつは毎日です。
・とても経済的
紙おむつ代は、ママの取替え頻度にもよりますが、平均5000円/月。3歳頃までしていると仮定すると、およそ36万円(!)ほどかかります。
布おむつの初期費用は、約7000円〜10000円ほど。洗剤などを入れても20000円ほどでしょうか。丈夫でめったに破れることがなく、二人目が生まれてもお下がりが使えるので、さらに経済効果はアップします。おむつ卒業後は、ぞうきんや布ナプキンとしても活躍します。
〔赤ちゃんのメリット〕
赤ちゃんは悲しいかな、おむつによって、おしりに排せつ物をくっつけて動いている生き物です。女性の生理中の不快感が365日続くと考えてよいでしょう。ですが毎回排せつの後にさっと布を交換してあげれば、いつもおしりは快適すべすべ。紙おむつだと1回のおしっこで交換するのは正直おむつ代がもったいなく感じるけれど、布おむつなら惜しみなくバンバン交換してあげられる、という声も多いです。また、紙おむつは紙でできているのではなく、プラスチックを主とした石油化学製品ですので、直接触れるなら、布のほうが赤ちゃんの肌に優しいといえるのではないでしょうか。
おしりがぬれる感覚があるので、赤ちゃんがおしっこの感覚がつかみやすいです。普段は紙おむつでも、トイレトレーニング時に布おむつを使用するママも多いです。
〔ママのデメリット〕
紙おむつは洗濯がいらず捨てるだけですが、布おむつは洗濯する必要があります。
紙おむつは吸収力が高いので、長時間取り替えなくてももちますが、布おむつではそう長時間もちません。
取替え頻度が多いので、替えの布おむつをたくさん持っていく必要があります。
〔赤ちゃんのデメリット〕
〔その他の公共的メリット〕
・地球上のゴミを減らす
赤ちゃんがおむつを卒業するまでに出す紙おむつゴミの量は、個人差はありますが一人あたり平均2トンとも言われています。また、紙おむつは紙ではなくプラスチック原料の石油化学製品ですが、自治体の多くは燃えるゴミとして処分しているため、ダイオキシンの発生原因となります。
・被災地を間接的に支援する
今回の東日本大震災では多大な被害が出ました。震災直後は赤ちゃんのおむつや女性用ナプキンが圧倒的に不足するなか、被災地でない地域、ここ滋賀でも紙おむつやナプキンの買いだめが頻発し、店頭には売り切れが続出しました。こんなとき被災地以外の私たちが紙おむつ・紙ナプキンの使用を最小限に抑え、被災地の方々に大至急紙おむつ・紙ナプキンを送ることができたなら・・と思わずにはいられませんでした。
もし布おむつや布ナプキンの知識があれば、今後起こりうる災害にも余裕をもって対処できるかもしれません。おむつや女性用ナプキンは、タオルやハンカチ、古いTシャツなど、本当は何を使ったっていいのですから・・。
〔布おむつの使用枚数と使用方法〕
各サイズにつきおむつカバー4〜6枚程度、おむつにはサイズはありませんが30枚程度あると安心でしょう。梅雨など洗濯が乾きにくい時期はもう少しあるほうが安心かもしれません。夜間や外出時など紙おむつと併用する場合は、多少少なくてもいいでしょう。
おむつカバーは素材によって価格も差があり、通気性のよいウールなどは高く、ポリエステルなどは比較的安価で500円くらいからあります。いずれもマジックテープでとめるものが一般的です。輪おむつは4つ折りなどに畳んでおむつカバーにのせて使います。成型おむつは輪おむつよりかさばらず吸収力も高めで外出に向いていますが、やや割高なのと、乾きにくいので、少ない枚数から始めるのであれば輪おむつをおすすめします。
なお、うんちの処理を楽にするために、メッシュ状になっているおむつライナーというものを上に乗せる場合もあります。が、離乳食前の赤ちゃんのゆるゆるうんちにはあまり意味がないかもしれません。
これから出産を控えて購入を迷っている人は、まずは少なめから購入して、布おむつに慣れてきた頃に買い足してもよいと思います。産後の体が回復するまでは紙おむつオンリーで、動けるようになったら布を始める、というのも手ですね。
〔洗濯の仕方〕
軽く下洗いして、洗濯機で洗う人が多いです。下洗いの仕方もさまざま、石鹸水や重曹水に漬け置き、たまってきたら洗濯する人、その場で軽く水洗いしてそのまま洗濯機に放り込む人、衣類と分ける人や分けない人さまざまです。洗剤も、通常の洗濯洗剤を使う人、お肌への刺激の少ない粉せっけんで洗う人もいます。
うんちがついたおむつの場合、血液や汗などもそうですが体液は酸性の汚れなので、アルカリウォッシュや重曹水に漬け置くと驚くほどきれいにとれます。
おむつを干すには、タコ足ハンガーが便利です。中には30枚干せるものもあります。タオルや子供用衣類なども干せるので、おむつ卒業後も活躍するアイテムです。
〜布、ときどき紙〜あるベビーとママのおむつ事情
布おむつなんて大変?時代遅れ?ただの自己満足?いいえ、そんなことはありません。布おむつには、絶大な経済効果を始め、ゴミが出ない、紙おむつよりも見た目がかわいいなどなど、見逃せないメリットはたくさんあります。
下記は私の個人的な体験談になって恐縮ですが、布おむつライフの参考になれば幸いです。
もともとめんどくさいことが大嫌いな私ですが、妊婦時代に職場で先輩とかわした会話・・
私「布おむつは無しですよね〜。育児の手間考えたら、多少お金かかったって当然紙にしますよ。」先輩「あれってけっきょく、母親の『子供のために頑張ってる』って自己満足よね。」
そんな私が産院の方針で布おむつ購入へ・・「イヤやなあ。紙でええのに。初期費用も高いし。おっ、意外とかわいいのいっぱい売ってるやん。かわいくないとやる気出えへんから、輪おむつは水玉にしようっと。」とりあえず輪おむつ40枚(実際はこんなに使わなかった)と60サイズのおむつカバー4枚をインターネットで購入しました。約7000円でした。
産後すぐは実家にいて洗濯は親がしてくれるのもあり布おむつオンリー生活、しばらくして紙おむつも購入し、夜間と長時間の外出時や自分が体調の悪い時は紙おむつに。すぐ挫折するかと思いきや、洗濯は洗濯機がしてくれるのでさほどの苦痛もなく、買出しと狭い家に陣取る大量ゴミ(しかも臭い)のほうがイヤだった私は、その後もおむつカバーをサイズアップさせつつ、布おむつを続けました。この頃は月1パックくらいは紙おむつを購入していました。おしりふきも市販。10ヶ月頃からおまるを使いはじめ、うんちのタイミングは決まっていたので1歳からうんちはほぼおまるで。1歳半過ぎから少しずつおむつをはずしていき、2歳からはほぼパンツ生活に。まだまだ失敗も多いのでしばらく外出時は布おむつをあてていました。
二人目が生まれ、育児が大変なのもあり、産後1ヶ月は紙おむつオンリーで。その後は長時間の外出時のみ紙おむつで、普段は昼夜ともに布おむつにしました。夜は布おむつを二枚あててしのぎます。産後1年半で紙おむつの購入は3パックほど、おしりふきも布おむつやガーゼを使用してふくので、二人目はほとんど費用がかかってません。
経済効果もさることながら、娘の知らないところで、地球に大量のゴミを放出し、未来に借りを作らせることが、あまり気が進まないなあ・・という気持ちもありました。
・・と堅いことを言ってみましたが、紙おむつ、布おむつ、どちらもメリットがあります。どちらかにこだわらず、上手に併用して、ママの負担を軽減しながら、一度しかないおむつライフ・おむつコミュニケーションを楽しんでみてください。いちばんだいじなのは、ママが笑顔でいることだから・・。